オレオムリエ。

 ワタクシ、ぜーったいオムツ替えなんてできんわ、とムスメがツマの腹の中から出てくるまでは思っとったです。それが今では布オムツを洗って干して畳んで装着して、つまりオムリエなぞになってしまいました。

 ムスメは「かあちゃん」つまりワタクシにとってのツマに首ったけで、何をするにも彼女を呼び出し、ワタクシには、ズボンすらはかさせようとしない。

 たまに、ねえねえいいじゃんとネコナデ声出してすりよっても首を左右にぶんぶん振って、ズボンをワタクシの手から奪おうとする。いいじゃんいいじゃんとさらにすりよると、ズボンをしっかと握りしめ、むっちりしたフトモモあらわにして、かあちゃーんと泣きながら呼ぶ。

 ワタクシは、まさに自分が脂ぎったもてないオヤジあるいは町娘を籠絡する悪代官そのものじゃねえかといたたまれぬ気持ちになり、若くて純粋だったあの日々に帰るべく盗んだバイクで走り出したくなります。

 ほんと、ちょいワルになろうかって年になってコムスメに(1歳半のね)こうまで振り回されるとも思っとらんかったです。

 そんなムスメが唯一抵抗しないでワタクシにさせるのがオムツ替え。「きーもちぃー」と(カタコトで)言いながら、こちらの指示に従って「どーこいしょっ」とツマの口癖をマネながら足をあげたりさげたりしております。

 逆だろ、と思うんですけどね。普通だったら、ワタクシにズボンやら上着やら替えさせるのはOKして、オムツ替えはさせんでしょう。妙齢のコムスメなんだし。

 なんでこうなるのかと言うと、ま、手前味噌ですが、ムスメもワタクシのNOK公認オムリエ(NOKについてはおいおい書きます)としての実力を認めているからだと思うんです。ま、1歳半なんでコメントは取れませんが、多分、そうだろうということで。

 ムスメが大きくなって、ここを見て「んなわけないじゃん」と言わないことを祈ります。